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「京、大丈夫?!」
心配して駆けつけて来た涼子にやや放心状態気味に応えた。
「……私、妊娠したの、かも」
「え!」
「こういう吐き気、身に覚えがある」
「嘘、三人目? おめでとう!」
「いや、まだ確定じゃないけど」
「生理は? なかったんでしょ?」
「……言われてみれば」
「もうーしっかりしなさいよ。忙しさにかまけてそういうの疎かにしちゃダメだよ」
「……うん」
(まさか……まさか、だよ)
生理が止まったのも気が付いていたけれど年齢が年齢だから多少不順になって来たのかなと思っていた。
(寧ろなくて助かっていたとか思っていたよ~~~)
しかしそれよりも何よりも妊娠するようなことをめちゃくちゃしていたので先ずはそれを疑うべきだった。
結婚六年目。子どもはふたりいるけれど智也くんとそういうことをするのは結婚当初から今現在、変わらずにあり続けた。
(最近では気が抜けて何回か避妊しないでしていたことも……)
色々思い当ることが多々あって少し眩暈がした。
(そういえば朝、智くん顔色悪いって言っていたな)
私は何の変化も感じられなかったけれど、ひょっとしたら智也くんは何かを勘付いていたのかも知れない。
(ってか、とりあえず検査してみなくっちゃ)
初めてでもあるまいしと思いながらもどうしたって心が急いてしまうのだった。
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