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あれからいったい、どれほどの時が経ったのだろうか。どれだけの書物を、どれだけの本棚を見てまわっただろうか。
どんなに探しても、自分の本にたどり着くことができない。気が遠くなるという感覚を、これほどまでに経験することが、果たしてあるのだろうか。
このままずっと私は、私の人生に会えないんじゃないか。そんな感情が渦巻いたことさえあった。
でもそんな時には、気分転換に好きな本を読んだり、同じように本を探している人や、管理人の人たちと話をしたり。そうやって、ここでの時間を過ごしていた。決して、私は諦めようとはしなかった。
頑張ろうねとか、なかなか見つからないね、とか。励ましあって、鼓舞しあえる仲間もできた。
そんな友達が自分の本を見つけたときは、私も自分のことのように嬉しかったし、あなたも頑張って、という言葉に元気をもらった。
なかには、探すのを諦めた人もいた。
ごめん、もう疲れちゃった、と笑った顔。やっぱり俺は人生を見るのが怖い、と俯いた顔。それらからは、諦念とともに、寂しさや悔しさが滲み出ていたような気がした。
みなそれぞれが、行き着く結果もそれぞれ。
どれが正解で、間違いなのかなんてない。
だから。
正解も間違いもないから、私は突き進むことにした。
あのおばあちゃんの言葉が、その勇気をくれたのだ。
そして、ついに。
本をたどる指が止まった。
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