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情景が変わった。
都内の大学に合格した私は、地元を出て一人暮らしを始めた。
大学を卒業して、企業に就職して。何の変哲もない、平和な日々。
しかし、私はある日、大きな国立病院で。
「非常に、申し上げづらいことなのですが……」
医師の深刻そうな表情を前にして、私はこれまでにないような不安を抱いたのを思い出した。
そのあとに続いた言葉を聞いた私は、力なく目を伏せた。当時の私は二十五歳だった。
それからの闘病生活は過酷だった。
症状は一向に良くならないし、日々体力の低下を感じていた。
ほとんどベッドに寝たきりになるまで衰弱した私は、病室の窓から外を眺めて、何を考えていただろうか。
そこだけ薄い霧がかかったように曖昧で、うまく思い出せない。
しかし、その後日また医師に呼ばれたとき、私はある覚悟を持って相対していたのだった。
「残念ですが、もう……」
私に残された時間は、二か月だった。
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