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しかし、その宣告を受けた私は、なぜか逆に安心したかのように。決めていた覚悟をより強く持ったかのように、その言葉を受け止めていた。
私は、医師の延命治療の提案をすぐに断っていた。
「よろしいのですか……?」
「はい」
私は固く頷いて、
「すでに覚悟はできていましたし、悔いもありません。それに……」
顔を上げると、薄い笑みを浮かべてこう言った。
「約束してくれたので」
「約束……ですか?」
医師がそう返すと、私は微笑んだまま頷いた。
その約束は、数年前に遡ったある日のこと――――
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