最期のメッセージ

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 ふと気が付くと、淡い橙色の光が、広大で静かな空間に立つ私を優しく照らしていた。  辺りを見回すと、目に入るのは立ち並ぶ本棚。びっしりと並んだ幾多の本。スペースに置かれた木製の机や椅子。  天井は高く、丸い橙色の明かりがちらほらと等間隔に並んでいる。床には吸音性の高そうなマットが隙間なく敷き詰められていて、いかにも静寂な場というような雰囲気を醸し出していた。  図書館。  私が最初に抱いた印象は、それだった。  私以外にも人はいるようで、みな静かに本棚を見回したり、椅子に座って一息ついていたりしている。  年齢は様々。各々が目当ての本を求めて、並ぶ背表紙を指でたどり、あるいは腕を組んで視線を走らせている。  ここが図書館だということは分かった。  だが、それとは違って決定的に分からない問題がある。  自分がなぜここにいるのか。  どうやってここに来たのか。  そして――――  自分が、誰なのか。
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