サボテン

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サボテン

 夢を見た。  思い出。  そう、思い出の夢だ。  僕らはひまわり畑の中で、地平線に沈む大きな夕日を見た。  それは特別なことで、特別な旅行中のできごとだった。  絶対に忘れない、そう思った。  しかし、今となってはどのような景色だったのか、どんな話をしたのか、はっきりとは思い出せない。  どうしてだろう。  君と僕がひまわり畑の中で夕日を見ている。  ただそれだけが夢として思い出された。  君はひまわり畑の中で、ひまわり色のハンカチを日の光にかざしていた。  今思えば、君はなぜそんなことをしたのだろうか。  今になって思う。  特別なことだったのに、普段生活している間には思い出されない光景だったのだ。  目覚めたとき、僕は不思議な感覚に襲われた。  とても懐かしいできごとを思い出して、少し感傷的になっていたのかもしれない。  久しぶりに君に会いたい。  そう思った。
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