サボテン

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 キラキラ光る白い砂の道。その先に見えるサボテンは君だ。  君は両手を広げ、僕を迎え入れようとしている。  しかし、君の手にはトゲがある。  君は今まで、そのトゲのせいで大切な誰かと愛を確かめ合うことができなかったろう。  君の横顔は、なんだかとても哀しそうだ。  しかし、よく考えるんだ。  不便でいらないもののように思えるそのトゲは、反対に君を守ってきたものでもあるんだ。  僕は君からのハグを受け止めよう。  甘んじてではなく、心から喜んで。  それから僕らは白い砂の道のその先へ、二人並んで歩きだす。  「この先には何があると思う?」  「なんだろうね」  僕も君も、そのことについては何も知らない。  普段生活している街なのだから、知らないことは無いのだけれど、ただ、なんとなく、この先には見知らぬものが待っている気がした。  サボテンになった君はこの世をひどく憎んだろうね。  僕だって、自分がサボテンになったら、この世は終わりだと思ったろう。  でも、サボテンの良さはサボテンになった者でないとわからない。  今君は、すごく居心地が良いのではないかな。  そう思う。  君と二人、並んで歩くと色々なことを考えてしまう。     
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