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昔の君はどうだったのか、今後君はどうしてゆくのか。
もちろん、今君はサボテンになって、非常に魅力的ではある。
しかし僕は、君のことをもっと知りたいと思うんだ。
いいかな。
いいよね。
僕らは、キラキラ光る白い砂の道のその先に辿り着くと、二人して大声で笑い合った。
今は真夜中だけれど、周囲には何もない。
僕と君と、今まで歩いてきた白い砂の道があるだけだ。
周囲は真っ暗。誰にも遠慮はいらない。
思う存分、気が済むまで笑い合おう。
君は言った。
「朝日を見たい」と言った。
「それじゃあ」と僕は言った。
僕らは東の海を目指してまた歩き始めた。
朝日が昇る前に、東の海に着けるのだろうか。
辿り着けなくてもいい、目指すことが目的だ。
キラキラ光る白い砂の道は、先へ進むにつれてだんだん細くなっていった。
もうすぐ途切れてしまいそうだ。
そう思った。
もし、白い砂が途切れてしまったら、僕らはどのようにして先に進めばいいのだろうか。
君はサボテンだから、空腹を感じることは無いだろう。
それと同時に、一生満たされることもないのだろうと思う。
昔、そういう人がいたからだ。
サボテンの君は空気中の水分だけを糧としている。
それと、太陽の光を。
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