設計書

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【キエール島】 キエール島には、デルグ出身者の14歳から17歳までの少年・少女達を戦士に育てる訓練所が設立されていた。 また、キエール出身者用の別の訓練施設も併設されていた。 その訓練所の敷地は広大で、実技訓練を主とする闘技場もあれば、兵法学を学習する屋内施設も用意されていた。 デルグ出身者で16歳になった少年・少女は、キエール出身者の訓練兵と合流し、同じ訓練カリキュラムを課せられた。 【メバとビケットが住む小屋】 メバは、ビケットに朝ごはんを用意して、ビケットが起きるのを待っていた。 ビケット:「おはよう。母さん。」 メバ:「おはよう。ビケット!あんた、顔の青アザは、まだ治らないんだね。訓練所で一体何をやらさせれてるの?」 ビケットは、母親のメバを心配させたくなかった。 母親は、お父さんを16年前のロスタシア遠征で亡くしただけでなく、娘のエレナも昨年、強制的にロスタシアに出征させられてしまったからだ。 「母さん、心配しないで。木製の剣を振り回してたら、自爆して顔に当たっただけたから。」 と、ビケットは、嘘をついた。 メバは、ビケットの嘘を見透かして言った。 「長い人生、逃げることも大事なんだよ。お前は母さんのためにも自分を大事にするんだよ。」 ビケット:「お姉ちゃんも乗り切ったんだよ。僕も大丈夫だよ。」 メバは、ビケットを優しい目で見詰めながら、 「さあ、朝ごはんだよ!」と食事を促した。 ビケットは、ご飯を食べ終わり、いつもの通り、訓練所に向かった。 訓練所への道中、ビケットは、いつも同じことを思い巡らしていた。 「母さんは、僕が生まれた時のことを話そうしない。なんで、僕らがこの島に連れてこられたことも話そうとしない。きっと、母さんは暗い過去を引きずっているんだろう…」 【訓練所】 ビケットは、訓練所の施設に入ると、ビケットと同じ年代の子達がロッカーで、装備を身に付けていた。 ビケットと同い年でデルグ出身者のレリオンとう男の子が、ビケットに「おはよう!」と言った。 ビケットも「おはよう!」と返し、自分のロッカーにある木製の剣と木製の盾を装備した。 レリオン:「今日も地獄のリンチが始まるなー」 ビケットは、「今日はあいつらにやり返してやろうぜ。」と返した。 レリオン:「どうやって?」
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