ある朝の散歩

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 グリンとニッキとレインは、泉に行った。泉にはいろんな動物の子供達が待ちかまえていた。鳥もウサギもキツネもクマもリスもヘビもみんないた。  「虹色のタマゴの子を見せて!」  グリンは頭の上のレインが見えるように、丸太に座った。動物の子供達は、グリンの頭の上に乗っているレインを、かわるがわるのぞき込んだ。  「灰色のふわふわだ!」  「かわいくないけど、かわいい!」  「触ってもいい?」  動物の子供達は、そっとレインをなでた。ぬけかかっていた灰色のうぶ毛が、ふわふわと飛んでいった。ふわふわは日の光にあたると、キラキラした。  子供達はみんな、ふわふわを追いかけた。  ニッキがレインをなでてあげると、またふわふわが飛ぶ。子供達がキラキラ光るふわふわを追いかけた。  動物の子供達がみんな、ふわふわをつかまえるとグリンの所に戻ってきた。  レインはすっかりうぶ毛が抜けて、うぶ毛の下の羽根が出て来ていた。  レインの羽根は、半分透明で虹色でキラキラ輝いていた。グリンの新しい木の芽と同じ色だった。  灰色のレインとは、ぜんぜん違う生き物のようだったけれど、目は細くて長くて回りが黒かったから、やっぱりレインだった。     
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