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夜明け前、俺達は道に寝転んでいた。
先生なんてやめようか
そこに現れたのが真樹、何でこんな所に寝ているんだと。
「大丈夫ですか?」
「はい」
「おけがは?」
「いえ、平気です」
これどうぞと言われ渡されたペットボトルの水、日が出てくると暑くて死んじゃいますよと笑われたと。ロングの髪を耳に掛け。ワンピース姿の女性。妙に子供っぽかったと、一目ぼれ、それからこの辺りの飲み屋をハシゴしてはその女性を見つけて歩いた。
冬、もうここにはいないと思った日、君が現れた。大人っぽい恰好をして、歩いていく、仕事帰りのOLに見えた。
「そうだ、その頃、補導されるのが嫌で母親の物を着て歩いていて」
だから大人っぽかったのかもなと言われ、話の続きを始めた。
そしてあの通りにあるコンビニでアルバイトを始めた。いつも決まった時間にとおっていく。見ているだけでいいんだって言ってさ。あの日、なんとなく付き合ってた彼女からバカにされ、別れた。酒の勢いで君に声をかけた、中学生、俺に電話、犯罪の一歩手前でまた救われたと。
「その時決めたんだ、中学生の先生になろうって、あんな時間に子どもが徘徊してるのには訳がある、それをわかってあげないとってな、なんか感じたんだろうなあいつは」
でもそれだけの事だったら、今のようなことまで考えなくてもいいのに。
「まあ、お前の方が精神年齢高いしな、あいつこんなこと言ってた。お前に、親に感謝する事のありがたみを教わったってな。お前を助けたいとかって言うんじゃないんだ、素直に好きって言う気持ちだけで突っ走ってる。一年で担任だ、凄い事なんだぞ、ほんとならあり得ない、でもお前がいたおかげであいつは頑張ったんだ、それは認めてやってくれよな」
また身長が伸びたなと言われ早く帰って寝ろと言われた。
先生も大変なんだ、だから変態なんて言いたくないけど・・・でもな。
「早く帰れ!」
「さよなら」
ごめん先生、私隠し事してるんだ。ポケットの中で鍵がカチャリと音をたてた。
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