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「ここで何してるんだ!」
「へー、ひっく、なんすか、ここ俺の家だぞ」
「酔っ払いが、ここはあんたの家じゃない、帰りなさい」
「お巡りさんですか、お疲れ様です」
「おまわりじゃないんだけどな、ここにいられると困るんだ」
「じゃあ、どこがいいですかねー」
その場に倒れこんだ。
「まったく、ここはダメ、あっちにしてくれ」
腕を取られた。
「あっち、あっちならいいの、じゃああそこで寝まーす」
立ち上がって、ふらふら歩きだし、あっちと言われたほうに歩く。
さっき真樹たちが入ったビルの前か。俺は移動した。また一時間ぐらいたって、俺がさっきまでいたところに入ろうとしている、やばい見つかったら、パーカーのフードをかぶりその場に座り込んだ、人影を見てやめる。俺はそこから動いた、後ろから走ってくる音、止まってカギを開けている。またあの二人が来た真樹が入ったのを確認して、俺もその中へはいった。
明かりがついたビルの中、笑い声と音楽、真樹の歌声が聞こえる。俺はその声の方に向かった。
「真樹、水流すね」
「うんいいよ」
「CDパパから借りてきたよ」
「本当、ありがとう、すぐに返すからね」
「ゆっくりでいいよ、でも海賊版だから気を付けてって」
「うん、本当にリッキーのパパのおかげでさ歌が歌えたんだ、ありがとうって言っておいてね」
「そんなことないさ、テレビに出てたの喜んでたから」
「ありがとうございます、ではお借りします」
笑い声。
そうか、やっぱり、あの親じゃ、どうも外国の歌が結びつかなかったんだよな。
ザー、水の流す音が聞こえる。
ジャッ、ジャッ、ゴシ、ゴシ。
ブラシで床を磨くような音がし始める。
「これ捨てるのかな、もったいないね」
「賞味期限は?」
「明日」
「大丈夫だよ、貰ってかえろ」
「じゃあごみだした時置いてくる」
「浮浪者に持って行かれないようにね」
「うんわかってる」
来る、まずいな、どっかかくれなきゃ。空いているドアを開け、そこで行きすぎるのを待った。カサゴソとゴミ袋を開けているのかさっきの話だとそう思う。
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