Act 3つづき

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「ここで何してるんだ!」 「へー、ひっく、なんすか、ここ俺の家だぞ」 「酔っ払いが、ここはあんたの家じゃない、帰りなさい」 「お巡りさんですか、お疲れ様です」 「おまわりじゃないんだけどな、ここにいられると困るんだ」 「じゃあ、どこがいいですかねー」 その場に倒れこんだ。 「まったく、ここはダメ、あっちにしてくれ」 腕を取られた。 「あっち、あっちならいいの、じゃああそこで寝まーす」  立ち上がって、ふらふら歩きだし、あっちと言われたほうに歩く。  さっき真樹たちが入ったビルの前か。俺は移動した。また一時間ぐらいたって、俺がさっきまでいたところに入ろうとしている、やばい見つかったら、パーカーのフードをかぶりその場に座り込んだ、人影を見てやめる。俺はそこから動いた、後ろから走ってくる音、止まってカギを開けている。またあの二人が来た真樹が入ったのを確認して、俺もその中へはいった。  明かりがついたビルの中、笑い声と音楽、真樹の歌声が聞こえる。俺はその声の方に向かった。 「真樹、水流すね」 「うんいいよ」 「CDパパから借りてきたよ」 「本当、ありがとう、すぐに返すからね」 「ゆっくりでいいよ、でも海賊版だから気を付けてって」 「うん、本当にリッキーのパパのおかげでさ歌が歌えたんだ、ありがとうって言っておいてね」 「そんなことないさ、テレビに出てたの喜んでたから」 「ありがとうございます、ではお借りします」 笑い声。 そうか、やっぱり、あの親じゃ、どうも外国の歌が結びつかなかったんだよな。 ザー、水の流す音が聞こえる。 ジャッ、ジャッ、ゴシ、ゴシ。 ブラシで床を磨くような音がし始める。 「これ捨てるのかな、もったいないね」 「賞味期限は?」 「明日」 「大丈夫だよ、貰ってかえろ」 「じゃあごみだした時置いてくる」 「浮浪者に持って行かれないようにね」 「うんわかってる」  来る、まずいな、どっかかくれなきゃ。空いているドアを開け、そこで行きすぎるのを待った。カサゴソとゴミ袋を開けているのかさっきの話だとそう思う。
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