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「フラム・ヴォルカンを覚えておるか?」
「天才フラムですよね。僅か九歳にして、炎を完全に操ることができ、炎の民始まって以来の天才と言われた」
小さい村だったので、バーンはフラム・ヴォルカンの顔も覚えていた。確か、数年前に村を出たはずだ。
村長は、うなずいて続けた。
「村を襲ったのは、フラム・ヴォルカンじゃ。わしは、この目で確認した。恐らく……魔に心を奪われてしまったのじゃろうな」
「そんな……。何故、こんなことを?」
「数百年前の神の言葉じゃよ。「炎は悪の王の身を焦がすであろう」というな。魔族は、神の言葉を恐れておる。それで、炎の民を根絶やしにしたかった」
バーンが言葉を失っていると、村長は続けた。
「ピルゴスにある天魔の塔の地下。そこで魔族に唆されて、闇の力を手に入れた。この世で魔族がいるのは、あの塔の地下だけじゃからな。その恩恵が、村を滅ばした黒い炎じゃ。力を手に入れるのと引き換えに、炎の民を根絶やしにしろとでも言われたのじゃろう。……バーンや。お主に頼みがある」
「はい、村の人たちの仇を討ちます!」
村長は、バーンの言葉に首を振る。
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