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呼吸を整えると、部屋の奥へと進む。
バーンが、ちょうど部屋の中央までやってきたときだった。
突然、足元の床が抜けた。――落とし穴だ!
体が空中に投げ出され、暗闇の中を落下する。
「うわああああああああぁぁぁぁぁぁ!」
数メートル落ちたところで、背中が何かに触れた。それは、床というべきか、壁というべきか。床に傾斜がつけられているのだ。それも、かなりの急角度だ。ほとんど落ちているような感覚のまま、滑落を続ける。
暗闇の中の巨大な滑り台。滑り台といえば、楽しそうなイメージを思い浮かべるだろう。しかし、角度が急過ぎて、恐怖しか感じない。
その滑り台は時に右へ旋回し、左に旋回し、バーンの体を激しく揺さぶる。
どのぐらい滑り落ちただろう。十分か、二十分か。バーンにとっては永遠に感じるほどの時間だった。暗闇の中で体を激しく揺さぶられれば、時間間隔もおかしくなって当然だろう。
終わりは唐突にやってきた。それまで、ほとんど直角ではないかという床の角度が、徐々に緩くなる。床が平坦になると、バーンの体は開けた部屋へと投げ出された。
そして、バーンは気を失った。
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