第一章 雪語

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 死保の倉田のアパートから出ると、いつも同じ場所に出る。 どこかのアパートの通路のようなのだが、倉田のアパートとの関連は全く分からない。 ドアの表札を見ると、マジックで書き込まれているので、誰かは住んでいるのだろう。 でも、全く人の気配がしなかった。  アパートの通路を出ると、普通の道で、車も走っているし、人も歩いている。 駅には近いので、歩いて行くと電車に乗った。 「市来、まずビールだよね」  図師は、飲みに行くという所で記憶が途絶えているせいか、目覚めると ビールだ酒だと思うらしい。  死保のメンバーは、記憶していなくても、死んだ状況を引き摺っていた。
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