第一章 雪語

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「冷やしておいて、夜に飲みましょう」  橘保険事務所のある駅に降りると、駅前のスーパーに入り、食材とビールを買い込んでおく。 図師は、おつまみと焼酎なども買い込んでいた。 「市来、俺が会計でいいよ。市来よりも金持ちだからさ」  俺のチームは、どういう訳か、いつもよりも金を持っている時に死保に来たメンバーが多い。 図師も、飲みに行こうと、置いてあった全財産をポケットに入れていた。  死保は給料が出ないが、仕事が終わり、新しい仕事が来る時に、持っていた お金が死保に来た状態に戻る。 だから、仕事中に使い切ってもいいのだ。
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