第一章 雪語

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「布団を干さないと……」 「洗ってしまおうよ。そういう業者があった筈だよ」  でも、今日、眠る所が無いだろう。 布団を干してはたいておくと、手作りの餃子を作った。 「市来、どうして料理人にならなかったの?実家は中華料理店でしょ」  それは、話せば長くなるが、簡単に言うと跡取りではないためだ。 「実家と言っても、俺は母親の連れ子ですから、跡取りではないのですよ」
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