第一章 雪語

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「俺も、新悟も外面は完璧を保とうとするだけで、中身はズボラですよ」 「そういうものなのか」  図師には兄弟がいないようなので、羨ましいらしい。  待っていても興梠が来ないので、飯にしようとしたら、玄関が開いた。 「興梠さん。遅かったですね」 「ああ、買い物をしてきた」  興梠が、大きな荷物を持って、部屋に入ってきた。 「何ですか?」  大きな筒状のもので、かなり重かった。 「映写機を注文していてね。これ、スクリーンだけ持ってきた」  どういう用途で、映写機を使用しようとしているのか不明であったが、 手伝って設置してみた。
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