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「私の妻は、正子(まさこ)、職場結婚でした」
興梠に恋愛というのが想像できないが、職場恋愛で、そのまま結婚したらしい。
正子は、興梠の数字が合うと万歳する様子が楽しくて、結婚してしまったという。
「正子、曰く、私は無表情で万歳と叫んでいたらしい」
正子はよく笑う人で、興梠が風呂に入っても大笑いしていたらしい。
正子は、興梠の眼鏡が曇り、何も見えないのに眼鏡を掛けている様子が楽しくて
たまらなかったらしい。
「娘は二人で、瑞希と桜子です。勿論、産まれた時も、万歳をしました」
そこでも、正子は大笑いしたらしい。
興梠は無表情のまま、泣きながら万歳をしていた。
その無表情なのに、感動している所が、正子の笑いのツボらしい。
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