第一章 雪語

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 ミーティングルームに入ると、興梠が資料を出して、何か計算していた。 倉田のノートは現世に持って来られないが、通信として画像では見られるらしい。  今回の仕事は、かなり昔に死んでしまった、万里 咲也という人物の成仏であった。 「この万里さんは、何をした人なのでしょう」 「古書を収集していて、図書館を作ったようだ。そして、今も本を守り続けている。 死保としては、図書館を見守ってきた功績を称え、成仏させるとなっている」  その他にも、この万里という人は、幽霊で出てしまい、人生相談などにのってしまうらしい。 悪気がなく善意らしいのだが、少し困った存在らしい。 特に恋愛相談が好きで、下世話であった。  死保としては、この困った存在を早く成仏させてしまいたいのだろう。
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