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私が通っていた頃のオンボロと変わっているが、所々その面影は残っているもので、綺麗で新しい印象ではあるが、やはり母校は懐かしいものだ。
小学校と言えば、私と遠藤も通っていたのだが、一緒に飼育係もしていた。
“思い出深い”小学3年生の頃の係りだ。
そういえばウサギ小屋は、まだあるのだろうか。
…ウサギ小屋、だっただろうか。
校門をくぐって、左手に進んで、右に曲がると小屋があったはずだ。
少しだけお邪魔させてもらうことにしよう。
少しだけ。
こうしてこっそり入るのはあまり良くないのかもしれないが、かといって職員室に向かうようなことでもないような気がして、私はそのままウサギ小屋があるであろう方へ向かった。
校舎とは反対側の、少し離れた場所に、ウサギ小屋はあった。
やはり昔と変わらない位置だ。
ただ、校舎と同じく、ウサギ小屋も新しく綺麗なものになっていて、中に居るウサギたちも元気に飛び回っていた。
私たちが居た頃は、こんなに元気に動けるような広さはなく、トイレと寝床があり、多少動けるというくらいの広さだった。
「贅沢な生活ができているんだな、ウサギも」
時代が変われば、こんな小さな世界も大きく変わるものなのだな。
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