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自分
急いで家へと向かった。
家に近づくに連れ、足が重くなる。
何やってるんだろう、私。
自分の部屋に着き、自分の本棚をお見つめる。そこには、若者向けのファッション雑誌がずらりと並んでいる。
だが、下の段には大きい段ボールが一つある。
そして、そこには小さい頃から読んできた古典作品がみっしり入っている。
元々、小学生の時、歴史に関する漫画を好んでいた。そして、気が付いたらもっともっと知りたい、読みたいと思って、あの本屋を見つけ通うようになった。
最初は自分が難しい本を読むのに誇りを持っていた。
だが、中学になり、学校で本を読んでいると、他の生徒達から避けられるようになった。
「宇月さんってなんか、がり勉ってかんじだよね。」
「それ、思う。近づきにくいっていうか、なんか合わなそう。」
気がつけば、私は一人だった。
皆から「がり勉」「真面目」、そんな風に見られるのが嫌だった。
だから、高校では絶対に普通の生徒になりたかった。
私は段ボールから本を出し、本を壁に投げつけた。
そして、涙がこぼれた。
「こんなものがあるから、いけないんだ。」
私は、泣き疲れ、そのまま眠りについた。
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