コーヒータイム

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コーヒータイム

 俺の朝は早い。  出社も早いが、その分仕事を始めるのは遅い。  出社の早いスロースターターだ。  仕事を始めるまでに何をしているのかというと、会社の同僚と他愛もない話をしている。  早朝の喧騒の中、古いコーヒーメーカーで淹れた不味いコーヒーを飲みながら、優雅に時を過ごしている。  そうはいっても、仕事ができないわけではない。  仕事モードに入るのが遅いだけなのだ。  仕事モードになった俺はすごいぞ。  自分で自分に言い聞かせるように思ってみる。  外回りも朝飯前だ。  まあ、これは言葉の綾であり、それなりに時間はかかる。  自分で言うのもなんだが、仕事をとってくる数は、この事務所一なのではないかとさえ思う。  小さい事務所なので、自分の仕事は自分でやらなければならない。  それは当然のことなのだけれど。  そんなわけで、事務仕事もお手のものだ。  そんな俺を支えているのが、朝のコーヒータイムというわけだ。  趣味も無いし、休日に何かをするわけでもないが、この時間があるこらこそ俺は働いていられる。  一緒にコーヒーを飲む仲間がいることに、感謝しなければならない。  
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