そこに僕らはいた。（１）

息苦しい

　俺はひとところにいられない。
　「今日は、一日中フリータイムでヒトカラだ！」
　と思っても、２時間もすれば、その狭い空間に息苦しさを感じて出てしまう。
　それがわかっているのに、何回も同じことを繰り返してしまう。
　他人はそうではないのだろうか。
　他人は、ヒトカラでも大勢でも、同じところで、同じ狭い部屋でずっと居られるのだろうか。

　俺は家にじっとしていることもできない。
　カラオケルームと同じように、自分の部屋に息苦しさを感じてしまう。
　どこか外へ出ていきたくなる。
　部屋の中で、ティータイムでリラックスなんてもってのほかだ。
　ここから一刻も早く外に出たい。
　苦しい。苦しい。
　「外の空気が吸いたい！」

　俺はいつもおなじことを考えている。