秘密がバレる時-2

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私が頷くと直は厨房へいった。 次に啓さんとぶつかった視線は、何か言いたげ。 “こういうときはどうしたらいいんだっけ……?” 短く悩んだ末、ぎこちない笑顔をうかべると、直が売り場に戻ってきて先ほど囁いたパンを掴み始めた。  ますます気まずい。 「あ、あのサンドイッチはいかがですか?」 私は小さな声で直から離そうと口を開いた。 啓さんは「えぇ」と言うが、その顔に笑顔がなかった。 きっと何か気付いたに違いない。 早く話しておきたかったと後悔する。   できることは啓さんを今はお客様として接することだ。 だから会計時はあともう少しだとホッとした。 その際、彼が直に見えないように“夜、電話していい?”と入れたスマホを見せた時は胸がどぎつき、厨房を確認してしまったけれど。 直はこちらに背を向けており、私は三度“うんうんうん”と頷く。 すると彼は笑顔を浮かべ“舞に会えてよかった。頑張ってね”と見せた。 私は緩みそうになる頬を真面目に保ちつつ、袋にパンを詰めた。
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