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「火曜日に詳しくは話そうと思ってたことなんですけどね」
私は彼と繋がる指を組み替えた。
「義兄の弟に計画性がないことを指摘されたんです」「計画性?」
不思議そうな彼の瞳を、真剣に見つめ返す。
「はい。もし理が青付中に通うことになった時、私も近くで家を借りて二人暮らしをする手もあるっていう話をしたんですけどね……。
今は両親に甘えられていて、職場の待遇もすごくいいいけれど、青付中辺りにいけばそれがなくなるっていうことを指摘され、気づかされて……」
彼の指を無意識に親指で擦る。
「なるほど」
「義兄の弟は、パソコンがあればどこでもできる仕事らしいので、理と私が一緒に関東に行って、一緒に住むのが一番いいことだってやっぱり言うんですよね」
小さく息を吐く。
「理を関東に連れていきたくないし、私も義兄の弟と結婚したくないけれど、考えなしなのはズバリ当たっていて……」
考えさせられた。
「お勉強を頑張る理を応援することばかり考えていたから、その後のことを考えると……今はわからなくて」
理のためには何が一番いいのだろうか。
そして、私だって自分のことは大切にしたい。
また大きくため息を吐いたことにハッとし、「家から青付中に通わせるのが一番なのかな」と苦笑したものの「あぁ、でも理が関東圏の中学校を希望した時はどうしよう……」と悩みが溢れた。
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