思いがけない贈りもの

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三月が過ぎ、四月が過ぎ、五月。 あっという間にふた月が流れた。 理はこれまでの復習に加え、新しいことを塾で学んでおり、合格へ向けて変わらず頑張っている。 私も変わらず理のサポートをしている。 同じ塾の生徒の中には、塾の授業に追い付くために家庭教師を付け始めた子もいるらしく、周囲の本格的な様子に身がしまるこの頃だ。 告白から、ぎくしゃくしていた直との関係は少しずつ戻りつつあり、咲哉さんも何もなかったかのように接してくれて、ありがたく思っていた。 啓さんとの関係は良好。 驚きのプロポーズの件は、咲哉さんとのことが落ち着いたことで話が流れた感じだが、啓さんの気持ちは嬉しくて、今も私を温かく包んでいる。 「ねぇ舞ちゃん」 「ん?」 「僕からプレゼントがあるんだ」 理が可愛い上目遣いで私を見つめている。 五月のはじめだった。 「なになに?」 一体なんだろう、と胸を小さくどぎつかせた。 「私と理君からよ」 母も加わり、二人はイタズラに笑う。 なんだろう。 私はますますドキドキした。
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