思いがけない贈りもの

8/22
前へ
/22ページ
次へ
啓さんのゴールデンウィーク休みは明後日から五日間。 ちなみに私は明明後日から三日間。 誘ってもいいものだろうか。 誘うなら早い方がいい。 美琴を誘うことも考えたものの、啓さんと行きたいと思う気持ちが照れに勝り、スマホを手にしたのはその日の夜だ。 啓さんにまず電話で「あの、明明後日かその次の日、ご予定はございませんか?」とかなりかしこまった様子で尋ねた。 啓さんとはゴールデンウィーク中、会う予定はなかった。 私は理に付き合おうと思っていたし、彼もそのつもりで誘ってもこなかった。   彼はいつでも“二番目”という立場でいてくれる。 彼からは「予定?特にないよ」と返ってきた。 胸がドキドキとうるさい。 私は息を大きく吸った。 「あの、では、私とホテルに泊まりませんか?」 すごい誘い方。 慣れてない故の誘い方。 それに啓さんは驚いたのだろう。 突然「えぇ?」と言い咳き込んだ。
/22ページ

最初のコメントを投稿しよう!

48人が本棚に入れています
本棚に追加