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ーー9月中旬。
理は6年生になり、私は一つ年をとった。
相変わらず“アルマ”で働きながら、理をサポートする毎日で、夏休み明けから理の塾は日曜日も始まったことから、やや忙しさを感じている今日この頃だ。
そんな中でも、啓さんとのお付き合いは順調に進んでいた。
時間の限られたデートだけれど、お泊まりした日から、私たちの距離は一気に近くなり、家デートでは料理や映画鑑賞だけでなく、イチャイチャも加わった。
火曜日のデートの後はいつもにやけ顔になっていないか気になりながら帰宅するのだが、母は何も言わない。
直とも啓さんのことは口にしないが、昔のように喋り、からかいあう関係に戻っている。
私と啓さんの関係は秘密に進んでいた。
“啓さん、カッコいい……”
それは日曜日の午後。
つい、二人きりではないのに啓さんに見惚れていると、教壇に立つ彼と視線がぶつかる。
しかしすぐに逸らされてしまう。
当たり前だ。
今日は保護者会で、多くの保護者がおり、隣には理だっている。
ちなみに保護者会の後、啓さんとの個人面談も入っていた。
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