第18話

真っ直ぐな思い-2

｢そんな……私の方こそ、今回の騒動の起因を作ってしまいまして……申し訳ありませんでした｣

優羽ちゃんの父親の頼りない視線と視線がぶつかる。
すぐに彼の視線は下へ移動したけれど。

｢いえ、悪いのは妻の方です。
本当にご迷惑をおかけいたしました｣

優羽ちゃんの母親にはまいっていたが、私にまで謙虚でいる様子に胸は心苦しさでいっぱいになる。

母もそのようで焦っていたけれど父の顔色は変わらずだ。

｢娘さんの方は大丈夫ですか？｣

口調も平坦なものだ。

｢えぇ、ご心配おかけして申し訳ありません｣

私も優羽ちゃんの様子は気になっていたので｢優羽さんは……納得されているのですか？｣と尋ねてしまった。

それには少し間は空いたものの｢えぇ、申し訳ありません。娘のことまでお気遣いくださりありがとうございます｣と頼りなく答えた。

優羽ちゃんの父親はそれからもずっと申し訳なさそうな様子でいた。