真っ直ぐな思い-2

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「これから塾へ行き望月先生にもお詫びしてまいります」 優羽ちゃんの父親がそう言ったのは、家を出た後だ。 私と母は彼を見送るために家の外まで出ていた。 「そうですか……」 啓さんも申し訳なく思うだろうが、少しは気が休まるだろうか。 優羽ちゃんの父親を“アルマ”の駐車場まで母と送り、私は複雑な思いを抱えバイトに戻った。 「ごめんね、抜けさせてもらって……」 今日は郁ちゃんが休みなので、迷惑をかけてしまった。 直に頭を下げる。 「いいよ。あの金持ちそうなおっさん誰?」 「あぁ……塾で理が一緒だった人」 「ふーん。なんだ、俺はてっきり彼氏絡みかと思ったけど……」 「……え?なんで?」 私は少しも結び付かないんですけど……と、直を見つめる。 直の瞳が気まずそうに揺れた。 しかしすぐ、いつもの彼の強い瞳を取り戻す。 「なぁ、舞と彼氏上手くいってんの?」 「え?なんで?」   瞳を瞬かせる。 「最近舞休みの日、家にいるだろ?」 「あぁ……まぁね」 直が定休日にパンを届けてくれるので、家にいる私と会う。 啓さんと距離を置いていることを言わず苦笑すると、直がますます真剣な顔になり「なぁ……」と、私に顔を近づけた。
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