真っ直ぐな思い-2

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啓さんはきっともっとその思いが強いのではないだろうか。 啓さんの瞳が私の思い込みのせいかもしれないけれど、頼りなく映る。 「優羽ちゃんは?今日は来てないの?」 啓さんが首を縦に振り「うん、休ませると連絡があったよ」と答えた。 「……そう」 優羽ちゃんはどう思っているのだろう。 三年ほど一緒に頑張ってきた仲間と、今さら別れたいだろうか。 「優羽ちゃん、嫌がってるんじゃない……?」 啓さんが瞳を僅かに細めた。 「やっぱり話し合った方が……」 「母親の希望で移ると決めたんだろう。話し合う必要はない」 父はそう言うが頷けない。 無言で返す。 「成績が上がらず塾を変える生徒もいると聞くぞ」 それは私も知っているが、残り少ない時期になって変えることはあるだろうか。 「少なくとも他人と比較することも減るだろうし、成績の伸びも期待できる。 彼女にとってはいいことなんじゃないか?」 「そうなのかな……」 「あぁ」 「でも私たちのことを知らなければ移動することはなかったんだよ……」 啓さんは困り顔。唇を小さく萎めている。
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