真っ直ぐな思い-2

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啓さんはゆっくり瞳を瞬かせただけ。 私の話を聞く姿勢を見せる。 「私、よかったって思えないの。 私たちのせいなのに……。 このまま何もなかったフリして、啓さんとイチャイチャできない……」 彼がゆっくりと小さく頷いた。 彼は私の両手を取り、そっと包んだ。 「せめて、受験が終わるまで塾講師と保護者の関係に戻らない?」 今さらかもしれない。 もっと早く提案していれば……と思うけれど、きっと優羽ちゃんの母親のあの感じだと、信じてもらえなかっただろう。 それでもだ。 「折り目をつけるってことだね……?」 彼がゆっくりとした口調で確認した。 「……うん」 「そうだね。舞の気持ちは僕も……わかるよ」 彼がより包む手の力を力強くした。 「啓さんのことはずっと好き」 「うん」 彼の頬が優しく緩む。 「ただ、三ヶ月間だけ。三ヶ月だけ前に戻って電話と、会うのと、我慢しよう……?」 私は彼の手の指先をギュッと掴み、真っ直ぐに見つめた。
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