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Life goes on
私は今日も私が死んだ理由を考察する。
どこで失敗したのか?
何が足りなかったのか?
どうして届かなかったのか?
脳天に弾丸を捻じ込まれた理由を考える。
己の足跡を精査して原因を究明するよう努めた。どうにも生まれつき回転の遅い頭であるので酷使に耐えきれずに微熱が滲み始めたその時だった。
「おーい奈津美聞いてるの?」
「はぇ?」
意識を現実に引き戻すと目の前にはどこか不満気な幼馴染のふくれっ面があった。同時に教室の喧騒と昼ごはんの残り香も甦ってきた。
「何が?李緒?どうしたの?」
拍子で飛び出た私の返事がお気に召さなかったのか李緒は片眉をひくつかせた。
「アンタねぇ……」
そこで言葉を一旦切ると李緒は怪訝そうに眉を顰めた。
「テスト終わってからなんかぼーっとしてない。体調でも悪いの?」
「うぅん。ゲーム」
李緒は聞き返してきた。
「ゲーム?」
「そうだよ。えーと……、あー、うん。あのテレビと繋いだ本体でソフトを再生して遊ぶタイプのゲームね。李緒の世代の人だと『ぴこぴこ』って言った方が分かりやすいかな?」
「同世代だろ、というか同学年でしょうが……」
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