10秒後の近未来

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「私、前から西尾君の事が好きだったの」 学園一の美少女が、顔を真っ赤にして告白している。 相手はあたしの幼馴染。 ホンの10秒前に視た(・・)ばかりの光景と寸分の狂いもない。 何でこんな場面を2度も(・・・)見せつけられなきゃならないんだろう。 今日ほど、自分の忌々ししい力を鬱陶しく思ったことはない。 棒立ちになるあたしに気付いた璃久(りく)は 切れ長の瞳を見開いた。 「音羽(おとは)!?」 弾かれたように回れ右をすると、そのまま駆け出した。 後ろから追い掛けてくる声に、振り返ることなく…
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