第四章 三十三回目の正直

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 林田は一人でパソコンを見ながらニヤニヤ笑っていた。 「美尾ちゃんは初々しいねえ。お気に入りに登録しちゃうぞ」  そう言うと飯田美尾の『人生チャンネル』を林田はお気に入りに追加した。 「やっぱりプレゼントして良かった。って、自分で買って貰ったんだけどね」  林田は画面の下の方へと視線を移す。  そこには『現在の視聴数126人』と書かれていた。 「まぁまぁの数字じゃない? 後で加賀見にコーヒー奢って貰おう」  そう呟きながらも、加賀見が奢ってくれるどころか、『余計な真似を』と言うのが目に見えていた。 「しかし二人とも、電車乗ってから全然話さないな。何考えてるんだろう」  林田が数回クリックすると画面に沢山の文字が流れ始めた。 「う~わ。二人とも凄い量考えてるな。全部読みきれないよ。はははっ、これはもう完全にパニックですね」
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