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動物園に着いた美尾達だけではなく、それをパソコンで見ている林田も期待にワクワクしていた。
その時、林田のデスク前に一人の老人が音もなく現れた。両腕をダラリと垂らし、目をつぶり、まるで眠っているかのようだ。
「やれやれ、これからが良いところなのに。仕事か」
林田はパソコンの画面を仕事用に切り替える。
そこには様々な情報が表示されている。そこには老人の名前から今までどんな人生を送っていたか等事細かに表示されている。
「名前は五平さんか。生きてた時代は……お~、結構古い時代の人だね。そして~、あっ!これはこれは」
林田が特に目を引かれたのは画面の『総人生回数:10000』の文字。
林田がデスクを立つと五平も気が付いた。
「こ、ここは?」
五平が林田に気が付くと、林田はニッコリと微笑んだ。
「あなたは五平さんですね。さぁこちらへ」
「お主は一体――」
「僕ですか? まぁあなた方が言う『神様』みたいなものかな?」
戸惑う五平はただ林田を見詰めていた。
林田は五平に近付くとそっと背中を押し、二つの扉の前へと導く。
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