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『イケメン』は髪を掻き上げると、その瞳に苛立ちが宿った。
そして足を組み替え、青い扉を指差した。
そこで美尾は慌てて青い扉を見た。
青い木製のドアで、丸いドアノブがレトロ感を強調している。
その隣にある赤い扉も同じ様な造りだ。
美尾はどうしたら良いのか分からず、もう一度『イケメン』を見る。
「早く」
『イケメン』の視線は美尾を貫いたまま動かない。
そんな雰囲気に抗える訳もなく、美尾はゆっくりと青い扉に近付く。
美尾はもう一度『イケメン』を盗み見る。
もう指は指していないものの、美尾の事をひたと見据えたままだった。
美尾はドアノブに手を伸ばす。
手からはヒヤリとした感触が伝わってきた。
そのままドアノブを回し、ゆっくり引いてみる。
キィッと軋む音をさせながら扉は簡単に開いた。
そして次の瞬間、まばゆい光が美尾を包んだ。
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