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いや、でも万一パラレルじゃなくて、そっくりな2人が壬生をうろついてたら怪しいよね絶対。
タイムスリップものの映画とかでもたいていそうだったはず。
バックトゥザフューチャーだと確か、自分に会わないように気をつけてたっけね…よく覚えてないけど。ハリー・ポッターだとタイムスリップ先の自分に絶対会っちゃダメだったような…
ん?でも…あれ?
もしかして…
琉菜はハッとした。
前回幕末に来た時に出会った、とある人物の顔を思い浮かべていた。
『兄上は、いつから新選組にいるんですか?』
『オレ?オレは結構古いぞ。去年の夏からだからな―――』
兄上って、中富新次郎って、もしかして…
琉菜は全身がゾクゾクするのを感じた。
信じたくはなかったが、考えれば考える程、そうじゃないかという気がしてきた。
冷静に考えれば、いや、考えなくとも、琉菜と中富は似すぎていた。
少し目の雰囲気が違っているだけで、琉菜は中富の顔を見る度に何度も鏡を見ているような気持になったのを覚えている。
いや、まさか、まさかね…
だいたい何をどうしたらそんなことに…
そこまで考えて、琉菜はそれ以上を考えるのが少し怖くなった。
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