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布団に裸でくるまって眠っているた男性の姿。それは明らかに情事の後を切り取った一枚だった。上半身だけが布団から見えて、うつ伏せになっていることで綺麗な背中が描き込まれている。
「これは……ちょっと刺激が強か」
加奈子の言葉に頷く。漫画の中でちょろっと差し込まれているエッチなシーンをとは比べようがない。なにせ、実在する人物をモデルに、その人物と画家がまぐわった後だということが、明記されてはいないもの、わかってしまうのだ。中学生女子にとって本物の性交なんて、目にしたことなどない。それなのに、デッサンは本物と同じくらいの強さで語りかけてくる。
逸らしてしまった視線を紙の上へと戻らせる。目が固定されたかのように画面から逃げることはできない。強い引力と似た力が働いていた。
寝転がる男の背中にはうっすらと引っ掻き傷が左右対称に刻まれている。ウブな女子中学生たちは、それが何かはまだわからない。
加奈子が恐る恐るページをめくって、息を飲む。
また、ベッドシーンだった。パンツ一枚で、ベッドで眠る男性の姿。下着の中心は汚れていて、執拗なほどに描き込まれたシーツの皺が行為の激しさを物語っていた。
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