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「あなた…あなた!!」
「なんだよぅ…」
「あなたがどーしても大学卒以上の男性を望むと言うのだったら、苦学生で通してきた男性は入っていないわけなのかしら!!」
「そんなことは言うていないよぉ…」
「あなた!!」
「なんだよぅ…」
「あなたね!!苦学生で通してきた男性や苦学生で通している大学生や定時制高校生や通信制高校生の気持ちがわかると言うのだったらしゅうさくと由宇李は結婚させるべきじゃないと想うわよ!!」
「だからそれはどうしてなんだ…」
「あなたは夜間中学で苦労したと言うていたわね!!」
「言うたよ…ほやけど、しゅうさくさんのおとうさまは苦学生で何かと苦労した時があったのだよ…だからしゅうさくさんには同じ思いをさせたくないと思って…」
「それがいかんと言うているのよ!!しゅうさくの両親が甘やかすだけ甘やかしていたからあんなダメな人間になってしまったのよ!!」
金毘江は、半兵衛により厳しい声で苦言を言うたあと背中を向けて居間から出て行きました。
居間に残された半兵衛と由宇李と奈和水は、言う言葉が他にありませんでしたのでボウゼンとなっていたのでありました。
外で降っている雨は、さらに激しさを増していたのでありました。
そんな中で、家の近辺で恐ろしい事件が発生したのでありました。
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