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「どうしたのだ…せっかく奈和水さんがおいしいチャーハンを焼いてくださったのに…食が進んでいないぞ。」
半兵衛の言葉に対して、金毘江はあつかましい声で半兵衛に怒りました。
「あんたは場の雰囲気がゼンゼン分かっていないみたいね!!」
「どうして急に怒るのかなぁ…」
「奈和水さんが電話でおしゃべりに夢中になっていたので、お料理を台なしにしたのよ!!チャーハンはおとなりの家の残り物なのよ!!それと、兼伊知がまた仕事でうっかりミスをして失敗したので急きょ残業になってしまったのよ!!」
「どうしてお前は小さな凡ミスくらいでいちいちいちいち目くじらばかりを立てているのかな…」
「立てたくもなるわよ!!兼伊知は仕事に取り組む姿勢がものすごく悪いからうっかりミスばかりを繰り返すようになってしまったのよ!!」
金毘江がますますぐちぐち言うていたので、半兵衛はますます困った声で金毘江に言いました。
「兼伊知は、わしら家族が幸せに暮らして行けるようにと思って違う場所へ出稼ぎに行って働いているのだぞ…どうして兼伊知の気持ちを分かってやろうとしないのだ…ワシでも小さな凡ミスはしていたけど、次からは気をつければいいと思えばいいだけのことだ!!」
「そうかしら…」
「あのな!!仕事の失敗は仕事で取り返すことができるのじゃ!!ワシは仕事に取り組むことで仕事で失敗したことを取り返したのだよ…失敗してもなんべんでもやり直しできる機会はあるのじゃ!!それよりもせっかく奈和水さんが焼いてくださったチャーハンが冷めてしまうぞ!!」
「だからおとなりの残り物よ!!」
「なにを言うているのだ!!おとなりの残り物でもごちそうだと思って食べればいいだけのことだ!!ぐちぐちぐちぐち文句ばかりを言うな!!」
半兵衛が怒鳴りまくったあとのことでありましたが、突然スマホの電話の着信音が鳴りましたので、金毘江が由宇李に怒った声で言うていました。
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