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それから、英理姉がドレスを選ぶ際に撮影した試着の画像をたくさん見せてもらって、ほとんどモデルのような姿にウットリ。お色直しのドレスは、どれもハッキリとした鮮やかな色のドレスにするんだって。確かにキリリとした顔立ちだから、そういう色の方が似合いそう。
それに混じってむっちゃんの花婿姿もあり、こちらは大人の七五三みたいで笑いそうになっちゃったけど、英理姉が「モンシューってどんな格好をしてもキュートだわ!」と溜め息をもらすので、私は唖然として黙るより他なかった。
「お代わりはいかが?」
そう言って英理姉のきれいな手がコーヒーの保温ポットを持ち上げる。いただきますと返事をした私は、そのきれいな指先が珍しくなんのネイルもしていないこと、それに自分にはコーヒーではなく、ティーバッグで他の飲み物を用意していることに気が付いた。とはいえ、その飲み物の色は見た目もコーヒーと変わりない。
「英理姉、コーヒー飲まないの? それ、なぁに?」
注いでもらったコーヒーを一口飲んで何気なく尋ねると、英理姉はなぜだかちょっとギクッとしたような表情を見せ、それからほんのりと頬を染めた。
「あのね、まだモンシューにしか話していないことだし、今後も暫くの間はごく身近な人だけに留めておこうと思うんだけど……」
う、うん……どうしたんだろ? なにか秘密のこと?
「実は……妊娠したの」
えっ……ええーーーっ!?
「うわぁ、うわぁ! ホントに!? すごい! すごいよ! 英理姉、おめでとう!」
突然のビッグニュースで大興奮する私に、英理姉はますます顔を赤くして恥ずかしそうに微笑んだ。
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