秀次切腹

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らかにではない。事態は思いがけない方向に急転していった。 「秀次、まだ釈明に現れない。」 秀吉が苛ついた。 「何故、疑念を持たれてるのか。解せぬ」 一方、秀次は状況急変に判断をしかねていた。  七月八日、再び、前田玄以・宮部継潤・中村一氏・堀尾吉晴・山内一豊の五名からなる使者が訪れ、秀次に伏見に出頭するように重ねて促した。 「関白秀次殿、早く行かれ太閤殿下の怒りを釈明をした方が良いのでは」 「何故あらぬ疑いを掛けられたのか」  その際の話の切り出しに、堀尾吉晴がなかなか言い出せないでいると、吉田修理が割って入って、もし疑われないようであれば直ぐに伏見に出頭するように、   もし、野心があって心当りがあるならば一万の軍勢を預けていただければ先陣を切って戦うと啖呵を切ったので、秀次にその忠勤の志に安心したが、それには及ばないと出頭を了承をした。 「わかり申した。直ぐに太閤殿に説明しょう」  これに加えて、秀次は自ら積極的に冤罪を晴らそうとして伏見に向かったとされる。 一方、宣教師達の所見をまとめた「日本西教史」では、この五名が五カ条の詰問状を示して謀反の疑いで秀次を弾劾したことによって、清洲城に蟄居
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