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第一章 星空編
「今日は星が見えへんな……」
高森高校に通う二年生の藤島浩也はぐしゃぐしゃの髪の毛をかきながら、星がほとんどみえない夜空に向かってぼやいた。梅田の町はいつも明るい。巨大な駅や阪急、阪神百貨店などの色々な建物が立ち並び、昼夜を問わず人々の活気であふれている。
浩也の家はこの近くであり、梅田は浩也にとって大きな庭である。
放課後、いつもはこの繁華街と反対側の方面に帰っているのだが、中間試験はまだ明日まで残っているというのになぜか残っている科目のことを忘れて、梅田の周りをぶらぶらしたくなった。
阪急梅田駅の中央改札口から出て、JR大阪駅と繋がっている地下道に進んだ。
この地下道は初見殺しの道で、東が新宿駅の地下道とすれば西は梅田であると言われるほど、看板を見ても頭が混乱してしまうものである。
だが、今さら浩也が梅田で迷うはずもない。
まず、地下鉄梅田駅の改札口の近くにあるヨドバシカメラで新しい電化製品を見て楽しむ。
それから、再び梅田の地下道にもぐって茶屋町にあるロフトに行き、修学旅行で遊ぶカードゲームを買う。
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