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テストが終わった後、浩也は同じ班の親友である梶谷琢磨と白崎恭平と一緒に学校から高槻市駅まで歩いて、高架下にあるファミレスに向かった。
そこには、浩也たちと同じ、中間テスト終わりで、嫌なことから解放された気分でご飯を食べている同級生などがたくさんいる。
三人はいつものハンバーグセットを頼み、ドリンクバーに行って、自分の好きなジュースをコップに入れた。
「テスト終了、お疲れ!」
この言葉と同時に、ジュースを持って乾杯した。これが、三人のテストが終わった時の恒例の行事である。
お互い注文したご飯を食べ、パンフレットを見ながら札幌・函館の観光ルートを決めた後、琢磨の口から恋愛話が始まった。
「浩也って、恋愛に興味あるんか?」
琢磨の言ったことに浩也は少し首をかしげて考えた。 その時、浩也の右側にいた恭平がニヤニヤしながらちゃかすように言った。
「絶対あるやろ!? というか、ありますけど、できませんオーラが漂っているぞ」
「やかましいわ」
恭平のからかいに対抗するように、浩也は堂々と自分の恋愛観を語り始めた。
「俺は体だけの付き合いだけで、すぐに別れるような軽い恋愛をしたくはないねん! お互い愛し合い、お互い尊重し合う恋愛がしたいんや!」
恭平は浩也の言葉に、少しの間があいた後、腹を抱えながら笑った。
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