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(まあ、ネガティブ思考になるよりはましかね)
「まあ、俺もお前の恋愛がうまくいくことを祈って、乾杯するで!」
浩也は満面の笑みで恭平の方にコップを向けた。
「それでこそ、俺の友達よ!」
このような男子高校生ならではのくだらない話をしながら、浩也たちの一日が過ぎていった。そして、運命の修学旅行が始まった。
(チョロ、チョロチョチョ、チョロ、チョチョチョ、チョロ、チョチョチョ……)
(やっぱり、ELTのスイミーはいいなあ……)
新幹線の中でウノとかトランプで遊んでいる友達がいる中、浩也が一人、自分のスマホで音楽を聴きながら寝ようとした時、恭平は浩也の頭をパチンと叩いた。浩也はイヤホンを外して、恭平を睨んだ。
「せっかく人がいい気分で寝ようとしたのになんやねん、お前は?」
恭平がため息をついてから、浩也の頭を強引に新幹線の窓側に回した。
「なんやねんって、こっちの話や! ほら、富士山が見えるぞ!」
「ほんまや!」
二人は新幹線の窓から見える景色に感動しながら、くぎ付けになって見続けていた。新幹線から見る富士山はとても雄大できれいなものであり、初めての新幹線の旅をする二人にとって、窓から映る景色は全て新鮮なものである。
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