4. マンションとコーヒー

2/8
2人が本棚に入れています
本棚に追加
/404ページ
そんなこんなで所要時間はおおむね二十五分だ。 もちろん11thストリート・ステーションから大学の近くまで通る65番のバスがあるんだけれども、 肝心の冬は、 通勤時間帯のラッシュと重なって、 到着時間が読めないから、 冬はメトロの方が便利だね。 僕のマンションは十階建ての分譲タイプだけれども、 僕はそこの五階の部屋に、 賃貸で入居している。 部屋は十四畳の1Kで、 家賃は管理費と共益費込みで四万八千円。 大きな南向きの窓が、 この部屋に光を注ぎ込んでいる。 そして、 その窓に面して、 人が横になって眠れるくらいの、 横長なソファーとテーブルが置いてある。 テーブルは、 セントラルの東急ハンズで、 天板・足・金具を購入し、 僕が組み立てた、 完全な自作品だ。 窓を開け、 ベランダに出ると、 そこからは、 トラムが東西に往来している光景が見える。 大きな病院がその通りに3つもあり、 それらに向かう救急車のサイレンが鳴り止まないんだ。 でも、 サイレンについては、 生活するうちに、 慣れてしまった。 右を見ると、 サークルマウンテンのジャンプ台が見え、 目を凝らすと、 ジャンプ台から、 その延長線上の1stストリートの街へと飛び立つジャンパー達が見える時もあるんだ。
/404ページ

最初のコメントを投稿しよう!