落としものは

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「母さん、おはよう」 「ヒロ、急がないと遅刻するわよ?」 「あ、うん」 忙しく朝食の支度をする母さん。父さんは既に出勤したらしい。 「母さん。あのさ、変な夢を見たんだ…」 もうすぐ7時30分。急がないと間に合わないというのに、僕は何を言っているのか。 「はぁ……、あのね、ヒロ?」 「え……?」 うんざりしながら母さんが口にした一言が、決定的だったのかもしれない。 そして、放課後。 僕は、最近ニュースで話題になった海岸に、身を投げた。
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