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ヒロヤくんが、あの女に気づいちゃったんです。
ちょっと見るぐらいなら、わたしだって怒ったりはしませんよ。
だけど、ちょっとじゃすまなくて、わたしが話しかけてるのに、あの女に気を取られていて、返事がないんです。
あの女も、初心なヒロヤくんを誘惑して面白がってた。
地味なわたしがおしゃべりしている男の子を自分になびかせて、わたしを悔しがらせようとしていることを知ったんです。
許せなかった。
え、そんなこと思いすごしだろうって?
婦警さん、いい加減にわたしが心を読めることをわかってくださいよ。
どうして、仲良しの男の子を階段から突き落としたか、ですか?
あんな安っぽい色仕掛けに、心を動かされる彼も許せなかった。
練習だったんですよ、今日は。
わたしみたいに小柄な女の子でもできるのかなって、人を突き飛ばすことが。
どれくらい力を入れればいいのか、よくわからないから、思い切り両手で押しちゃった。
びっくりでした。あんなに勢いよく転げ落ちていくなんて。
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